剱伎道稽古場日誌 4月28日
剱伎道の「剱」とはマーシャルアーツ即ち剣術を意味し、「伎」はパフォーミングアーツ即ち技芸を意味するものです。
ということで、昨日の大人枠の稽古は武術的な要素の強い内容でした。
例えば上段の構えならそのまま真向斬り、八相なら袈裟斬りに剣を振れる状態を作っておくことで実戦に即したものになります。
実戦に即しているからといってそれがそのまま舞台で使えるわけではなく、むしろ表現として用いるには時に地味であったり、あまり見栄えがしないこともあります。
しかし、相手との呼吸の遣り取りを大切にする剱伎道において、実戦での攻防における間や距離感を肌で感じ、そのような遣り取りに応じた技術を磨いておくことがひいては表現の濃さにつながり、見ていてハッとするような立ち回りを生み出すのです。
見た目だけの華やかさだけではなく、リアルで質実な技によって内面から滲み出るようなずっしりとした表現も、剱伎道ならではの魅力と言えるでしょう。
剱伎道 宇土修